そうならないためにも、まずは、年金で生活されている方々の1カ月あたりの生活費を知っておきましょう。年金だけでは足りないと感じたら、今からできる節約に目をむけてみましょう。
こちらのデータによると、一人暮らしの生活費は、1カ月あたり14万5430円です。別途、税金や社会保険料などの非消費支出が1万2243円あるため、その支出を含めると、15万7673円になります。
したがって65歳以上の単身世帯であれば、1カ月分の生活費は約15万円が目安になります。
ただ、このデータは持ち家の人が主な対象者となっています。そのため、賃貸の人の場合は、家賃などの支出がさらに増えると考えられます。
もし、ご自身の生活費がデータの平均値よりも多いという場合は、どの費目が多いかチェックしてみると、お金の使い方を見直すきっかけになります。
食料品については、2022年あたりから、小麦粉、加工食品、清涼飲料水などを中心に、あらゆる食品で値上がりしています。そのため、さしてムダなものを買っていなくても、支払額は膨らみがちです。こんなときだからこそ買い物にルールを設け、管理する習慣をつけましょう。
買い物のルールには、以下のようなものがあります。
・買い物する回数と予算を決める
・毎回、必要なものリストを作る
・安いからといってまとめ買いをしない
・お惣菜は買わない
・調味料は、さ(砂糖)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)に限定する
スーパーに行けば、いろんなものがあるので、ついムダなものを買ってしまうこともあるでしょう。しかし、ルールを設けておけば、迷うことはありません。
また、食品ロスを減らすために、冷蔵庫の整理を心掛けることも大事です。時には、冷蔵庫が空っぽになるまで買い物に行かないなど、手元にある食材を使い切るようにしましょう。
現状よりも、少し減らしたいなと思うのであれば、自分自身の興味のあることや、有意義な時間の使い方、毎月の理想の交際費はどのくらいかなどを整理しましょう。
自分自身の物差しを、明確にすれば、気乗りのしないお付き合いは遠慮なく断ることができ、時間もお金も浪費することがなくなるでしょう。程よい距離感で、趣味や価値観の合う人と、細く長く交流するようにしましょう。
節電といっても、暑さ・寒さに対しては、適度に暖房冷房を入れないと健康を害する可能性もあります。この点については、健康優先で考えましょう。
節電するには、厚手のカーテン・遮光カーテンなどに替えたり、窓サッシに隙間テープを貼ったりするなどがあります。どちらも、窓からの熱気・冷気を遮断でき、温度を適切に維持できます。
少しお金がかかりますが、節約につながる投資と考え、計画的に取り組むとよいでしょう。
スマホやパソコンなど毎月発生する通信費は、契約内容の見直しや、セット割などを検討し安く抑えるようにしましょう。
交通費は、外出したときに、他の用事も済ませるようスケジュールしたり、徒歩圏内にあるサービスを利用したりすれば節約できるでしょう。
これらを節約する方法の一つとしては、自治体主催の教室やイベントに参加するということがあります。自治体主催だと、シニアが参加できる料理教室や健康体操、ハイキングなどさまざまなものがあり、参加費も実費分だけで割安にすむことが多いです。
また、図書館を利用すれば、ざまざまな分野の書籍が無料で楽しめます。
他にも、プランター菜園で旬の野菜やハーブを栽培すれば、趣味と実益を兼ねることができます。
こんなときこそ費目ごとの予算を決め、その範囲内で豊かに暮らすにはどうすればよいかを考えましょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
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